手持ちに2.5インチのHDD(容量500GB)があるが、何か使いみちがないか探ってみた。2021年現在では大容量SSDが当たり前でM.2規格のNVMe SSDという高速なSSDも登場している昨今にわざわざHDDを、それも2.5インチのものを、しかも容量500GB程度のものをいまさら使う理由は普通はほぼないが無理やり活用してみる。
2.5インチHDDの特徴
一般的なHDDのサイズは3.5インチで2.5インチのHDDはずっとコンパクトなサイズで主にノートPCやポータブル外付けHDDなどで使われることが多い。
3.5インチHDDとの比較
2.5 HDD | 3.5 HDD | |
---|---|---|
用途 | ノートPC、外付けHDD | デスクトップPC |
サイズ | 約10cm*7cm*1cm | 約14.6cm*10cm*2.5cm |
性能 | 遅い(Read150MB/sを越える高速タイプも存在する)。基本的には回転数5400rpmの製品が多い。 | 遅い(2.5インチよりは総じて多少速い)。回転数5400rpmと7200rpmの製品が主流。 |
容量 | 少ない(多くても最大2TBほど) | 多い(10TBを越える製品もある) |
消費電力 | 1~2W | 5~8W |
耐久性・耐衝撃性 | ノートPCなどに使われるので3.5インチに比べて衝撃に対して強いという噂もあるが定かではない | 耐久性に関しては使用状況(温度や稼働時間・書き込み量)などに左右されるため一概にはいえない。筐体が大きい分2.5インチよりも長持ちしそうだがそういうわけでない模様。衝撃に対してはおそろしく弱い。 |
長所まとめ | 軽量薄型コンパクト・低消費電力 | 大容量低価格 |
2.5インチHDDがネックになっているのは読み書きの性能の部分。それ以外は消費電力も低めで小型であるため使いようによってはまだ利用価値はある。そこでOptane メモリですよ。
Optane メモリ
インテル® Optane™ メモリー
メモリーの使用に関するインテル® Optane™質問
Optane メモリは2017年頃にインテルから発売されたHDDなどのストレージを高速化するためのキャッシュメモリのこと。メモリ自体の規格はM.2のNVMe SSDとなっている。HDDとRAIDみたいな構成にしているのだと思われるがそれによってOptaneメモリの速度(読み込み900MB/sほど)をHDDで体感することができるという代物。
2021年現在ではもう使っている人がいないのか需要がないのかわからないが16GBモデルがメルカリやヤフオクで1000円前後で投げ売りされている。Optaneメモリとして使わないならば普通の低容量なNVMe SSDであるため、速度そこそこで耐久性もあるらしいので使い捨てキャッシュ用に持っておくのも有りかもしれない。(意味もなく2枚買った)
今使っているメインPCのSSDの中身をHDD+Optaneメモリに移してみた
SSDの中身を2.5HDDへクローン
クローンソフトを使ってHDDにクローンを作成してみたが、クローンの作業自体は30分ほどでHDDの書き込み速度を考えれば仕方がないかと思われるが、いざ作業が完了してクローンしたHDDでOSを起動してみたらあまりの遅さに愕然とした。遅いなんてもんじゃなくて起動に5分以上かかった。何かの間違いかと思って再起動してみてもやはり起動だけで3分以上はかならずかかる。2.5インチのHDD(読み込み100BM/sほどのものを使っている)ってこれほどまでに遅かったかとOptaneメモリ関係なしにこの作業やめようかなと思った。
Optaneメモリを装着して有効化
インテル® Optane™ メモリー 用のダウンロード
Optaneメモリを装着して起動しただけでは有効にならないというかOSがOptaneメモリと認識しないためドライバをインストールする必要がある。上記リンクから対応するOSとCPUのSetupRST.exeという実行ファイルをダウンロードして実行すると再起動を促されるのでその通り再起動するとインストールされたIntel Optane and Storage managementからOptaneメモリを有効にすることができるようになる。
Optane化したHDDを使ってみた印象
有効化した直後の感想としては、まあ、速くはなったことはなったがOptaneメモリ期待ハズレかな・・・と思っていたが、30分ほど使っていると2.5インチHDDを使っているのを忘れるぐらいの速さになっている。Optaneメモリはキャッシュ用のメモリなので初回は遅くて次回から速くなるという特徴を持っている。
メモリーの有効化後、すぐにパフォーマンスがインテル® Optane™できますか?
メモリーの起動を有効化したインテル® Optane™起動サイクルが 3 回実行される前に、OS 起動時間の短縮が実現します。アプリケーションとファイルの場合、メモリーインテル® Optane™自動的にユーザーのコンピューティング動作を学習して、頻繁に使用するアプリケーションを加速します。
キャッシュされるのでもしかしたら電源切ったりするとメモリのように消えてしまうんでないかと思って試しに再起動を繰り返してみるとしっかり起動も高速化されていた。Optaneメモリを有効化した2.5インチHDDの感想としては全然有りだと思う。というか正直使える。別にOptaneメモリのプロモーションとかステマをする気はないが(インテルはもうSSD市場から撤退してしまったし・・・)この有用性ならもう少し流行ってもよかったんじゃないだろうか。
若干気をつけないといけない部分もある
有効化した後でシステムインテル® Optane™取り外した場合、どうなるでしょうか?
ボリューム (高速化するモジュール + ドライブ) は、ユーザーデータを保護するためにオフラインになります。モジュールをシステムに戻すまで、このボリュームを使用することはできません。
ということで取り外すときはOptaneメモリの管理画面から無効化してからやる必要がある。
以上で2.5インチHDDの使いみちを探ってみた。今どき2.5HDDをデスクトップPCでシステムドライブとして使うのは正気を疑われそうだがOptaneメモリ使えばまだまだ使える。
エコを勘違いしている全ての者へ pic.twitter.com/L7Dvyrgmqs
— SOCOM@ルカ娘(BNR34) (@SOCOM23) November 30, 2018