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something which something is something

ユーザビリティ

検索と抽出の思考モデルの違い

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検索の思考モデルはさらに堅固になっている

検索はどんな場合「検索」なのか

現在のところ、キーワード検索以外の検索で使える最も適したラベルというのは、わかっていないが、Find(探す)や Retrieve(取得)といった言葉は上手く機能しているようだ。検索結果からの選り分けにはRefine Results(絞り込み)といったラベルを使える。しかし、キーワード検索にはそういった言葉を使ってはいけない。キーワードを入力するボックスがあって、はじめて “Search” というラベルがふさわしくなるのだ。

ウェブ上においては、キーワードが入力できるボックスと検索とラベルされたボタンがあってはじめてそれは検索であるという認識がなされる。アプリケーションの場合も似たようなものだけれど、検索をするという動作を分析すると必ずしもキーワードを入力するボックスは必要ではないと思う。ウェブ上で検索エンジンを使って「検索」をする場合、あるキーワードに該当する膨大な数のウェブページの中から特定の一つのページ、自分の探している目的に合ったページを探すことを意味する。知りたい情報のキーワードをテキストボックスに入力して検索ボタンをクリックし現れた結果の中から目当てのページを探してそのページへ飛んでいく、ここまでがウェブ上の検索の思考モデルである。この動作以外に検索という名前をつけることはユーザビリティ上の問題を招くことになる。

アプリケーションの場合も大体同じような思考モデルが適用されるが、その過程にはかならずしもキーワードボックスにキーワードを入力するという動作は必要ない。キーワードボックスの代わりにラジオボタンであらかじめ決められたキーワードを選択するようにしていたり、ドロップダウンリストから選択するようにした場合でも特定のデータを探す場合に検索という名称を使うのは間違いではない。ウェブ上では膨大なデータから自分の求めるデータを得るために対象を「絞り込む」ためにキーワードを使う。アプリケーションの場合はそれとは違い、膨大であろうとそのデータはユーザの予測の範囲であるため、キーワード入力よりも多少限定的ではあるけれどラジオボタンやドロップダウンリストからキーワードを選択して「絞り込む」という操作には変わりはない(そのラジオボタンやドロップダウンリストの内容はユーザによって変更が可能であればなお良いが)。

検索以外に「抽出」という言葉はどういうときに使ったらよいか?抽出は検索のように特定の一つを探すのではなく、膨大なデータから条件に該当するデータを表示させるというような場合に使う。検索も抽出も似たようなものだが、検索は検索エンジンの登場によってその思考モデルが厳密に固定されてきているため、目的のものを探す場合には「検索」というキーワードを使い、漫然と条件にあうデータを探す場合には「抽出」というキーワードを使う。目的志向の違いによって検索か抽出かということを分けるのが適切かもしれない。アプリケーションの種類によって検索というキーワードを使うか、それ以外の抽出や取得といったキーワードを使うかの判断は繊細な感覚が必要とされる微妙なものだが、ユーザビリティ上では意外に重要なポイントでもある。

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